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【栄養療法の実際】42歳で採卵が可能になったBさんのケース
栄養療法で本当に妊娠、出産ができるのか?
このウェブサイトにたどり着いた方の多くがその疑問を持ちながら読まれているのでは無いでしょうか?
ページごとのアクセス数を見ると「お客様の声」というページが上位に上がっています。栄養療法や分子栄養学に馴染みのない方であればまず読んでみようと思うのは当然でしょう。
栄養療法の先駆者が妊娠や出産に導いてきた事例を何度も見聞きしていますし、書籍にも数字としてかなりの高確率な実績が公開されていますが、私の実績としてどうなんだ、と問われると正直言って返答に時間がかかります(^^;
まだキャリアが浅く立派な功績というほどではないですが、私がこれまで関わってきた方で妊娠された方は何名かいらっしゃいます。
ただ、その数名は割と早期に妊娠されたため、栄養療法との関連づけがやや強引かと感じられそうなので特に公にはしていませんでした。ちょっとした食事や食品の選び方で大きな変化に結びつくことは事実ですが。
そのほか、一時期採卵できなかった42歳の方が、栄養療法を本格化した数ヶ月後に採卵できるようになり、今移植を頑張っています。
妊娠したのも採卵できたのも、何をもって栄養療法のおかげなのか厳密な証明のしようはないのですが、タイミングからすると全く無関係と考えるのは不自然、というしか言いようがありません。
妊活されている方は同時に様々なことを実行されるので、栄養療法の効果のみを切り取るのは難しいのです。
実際どのようなケースがあったのかご紹介して、ご自身で判断いただくのが良いかと思いますので、何回かに分けて書いていきますね。
目次
- ○ Bさんとの出会い
- ○ Bさんが行った検査と治療法
- ○ 驚くべき数値の変化
Bさんとの出会い
Bさんと初めてお会いしたときは39歳でまだ新婚さんでした。
長い髪で可愛らしい雰囲気のBさんは「結婚したばかりなんです」とはにかんでいたのが印象に残っています。
Bさんは私のデビューセミナーに参加されたのち、栄養相談を希望され、表参道のカフェで待ち合わせしました。
分子栄養学に興味はあるけど、まだ新婚でこのタイミングで始めるべきか、旦那様の理解を得るのが難しいのではないか、という懸念をお持ちでした。
その時はしばらく様子を見るという決断をされました。
そして1年後再度妊活セミナーに来てくださり、当時募集していた妊活塾にお申込みくださいました。
妊活塾は分子栄養学を中心とした食事、生活習慣、腸内環境のセミナーを行うと共に、当時のパートナーが妊活体操やトリートメントを施すというものです。
このセミナーでとても印象的だったのが、1回2時間という長丁場にもかかわらず、ずっと旦那様も一緒に受講されたことです。
1年前にお会いした時は旦那様の理解が得られないだろうと悶々と悩まれていたのが嘘のようです。
妊活塾へはプレセミナー、カウンセリングを経て申し込みに至りましたが、その際も旦那様が同席され理解を得られたですが、その時点でBさんの方が信じられない様子でした。
分子栄養学は健康維持にももちろん絶大な効果がありますが、病気や困っている症状を改善することを目的に、70項目以上の血液検査や尿、腸内環境検査などで客観的に状態を知り、その方に合わせた必要な栄養とその量、生活習慣を探るというものです。
おそらく、従来の栄養学に比較すると問題解決の手立てや因果関係が見えやすいため、きちんと話を聞いていただければ(実は話の場についてもらうのが一番難しい)、男性にも理解が得られやすいのだと思います。
ある分子栄養学の講座でも男性は半数とまではいきませんが、1/3〜1/4は男性かと見受けます。
Bさんが行った検査と治療法
間もなく血液検査も受けられ、一言でいえば「潜在性鉄欠乏で低栄養」の状態で、必要な栄養素が医師より提案され、私からは食事や生活習慣のアドバイスをさせていただきました。
Bさんはヤセ型でいわゆる食の細い方ですが、体質といえば体質なのですが、改善する手立てを探るのが栄養方法です。
Bさんの胃酸が少なく、消化能力を伸ばすことが必要でした。たとえ同じ食事でも栄養状態は改善する可能性は十分あるのです。
Bさんは毛髪ミネラル検査と、有機酸検査という尿検査も受けられました。
毛髪ミネラル検査では、体内のミネラルバランスが乱れていないか、どのような重金属に影響を受けていそうかを探ります。
敵がわかれば対策が立てられ、解決に向けてまっすぐに計画を立てることができます。
また、有機酸検査でもカンジダ菌がどの程度腸内に増殖しているのか、重金属などの有害物質が疲労や低栄養の原因なのかがある程度わかります。
カンジダ菌に関して説明すると非常に長くなるので別途書こうと思いますが、ひよりみ菌であるカンジダ菌が異常発生していると、
ミネラルなどの栄養の吸収が妨げられる
甘いものを常に食べたくなる
悪玉菌が優位になりすく便秘や下痢を繰り返す
副腎疲労症候群を起こしやすい
という状況に陥り、栄養状態は悪くなるばかりか、慢性疲労がどんどん悪化していきます。当然妊娠体質から遠のいていきます。
Bさんはやはりどちらの結果もビンゴ!
「ビンゴ!」と嬉しそうにしては不謹慎に感じるかもしれませんが、「手立てが見つかった!」ということですから喜んでいいことなのです。
原因が見つからないのが一番困るわけですから。
医師から解毒のためのサプリメントが処方され、カンジダ除菌も行いました。
カンジダ除菌は抗菌剤の薬を使う方法もあるのですが、他の腸内細菌にも影響するため、ハーブを中心としたサプリメントで行います。
その前に、除菌に耐えうる体を作るために肝臓保護のサプリメントを用いたり、食材の制限があったりとかなり大変な作業です。
数ヶ月間、外食がしづらくなったり食べたいものを我慢する日が続きますので、苦しかったと思いますがBさんは本当に頑張りました。
しかも、タイムリミットが近づいているということで不妊治療クリニックにも通院し始めていましたので、フルタイムで勤務するBさんは相当に忙しかったと思います。
見ているこちらが頭が下がる思いでした。
そして除菌後は、栄養補給を中心にシフトしました。
Bさんはタンパク代謝の増強、粘膜の増強、妊娠ビタミンと呼ばれる脂溶性ビタミンを摂られています。
実は不妊治療クリニックの検査で子宮内膜にポリープが見つかり腹腔鏡手術で取られていました。材料不足で粘膜が弱いからポリープができやすいとも解釈でき、受精卵子が着床しやすいフカフカの内膜を作るには材料を体に入れてあげる必要があります。
粘膜を強くすることで子宮内膜や胃腸の粘膜にも両方の効果があるのです。もう少し幅を広げれば、喉や鼻の粘膜も強くなるので、今流行りのコロナウイルスの入る隙を妨げ、免疫力が高い状態にもなるのです。
栄養療法の良い部分は、多少検査に時間は取られますが、サプリメントで栄養を摂ることは朝晩の習慣になればさほど難しいことではなく、さらに一つの栄養が複数の効果に繋がることです。
驚くべき数値の変化
これらを経て、今年に入ってから効果判定のため血液検査を再度受けられました。
最初、Bさんは速報結果を見てがっかりされたようです。
胃酸の出具合も潜在性鉄欠乏も数値がさほど変わらなかったのです。
胃酸の数値はなかなか変わりません。胃酸は体質が最も大きな要因なのか、数値が大きく変わった人は私は見たことがありません。
鉄欠乏も鉄分を補給すれば比較的上がりやすい検査項目ですが、体全体の状態が良くなっていても数値が変わらない、ということは逆に言えば「うまく使われている」ということとも理解できます。栄養の吸収とその活用は別の話なのです。
(実際、私は小球性貧血(鉄欠乏)ですが、肝臓の貯蔵鉄はあまりあるほど多いのです。)
そうなんです。
実は、Bさんが注目したこの2つの検査項目以外はほとんどすべて改善していたのです。
総タンパク 7.0 → 7.6
アルブミン 4.60 → 4.89
GOT 17 → 19
GPT 13 → 15
総コレステロール 179 → 204
それぞれの意味は割愛しますが、タンパク代謝はかなり改善したと言って良い数値です。
コレステロールは細胞の材料なので妊娠にはとても大事な栄養素ですが、これも体質に依存するところが大きくなかなか上がらないのです。
素晴らしいです!!
医師のカウンセリングを受け、ようやくBさんも納得してくれました。
そして、カンジダ除菌が功を奏したのか、唾液の検査数値も良くなっていました。
唾液検査はもともと歯周病リスクを測るものですが口内細菌のバランスが改善されたのでしょう。
カンジダ菌は腸内だけでなく膣や口腔内にもいるのでどこかで検査すれば体全体の改善具合は推し量れます。
この数値の上がり具合には私も驚きました。
確かに前回の検査から11ヶ月経っているので、体質改善には十分な期間です。
でも重金属の解毒やカンジダ除菌の期間が長く栄養補給は控えてもらっており、重点的にサプリメントを飲んだのは、たった3,4ヶ月だったのです。
Bさんはこの間にも3回採卵を行なっていました。
最初の採卵では変性卵、2回目は空胞だったにもかかわらず、今年1月にはなんと4個の採卵ができていたのです。
不妊治療クリニックも変え、カウフマン療法に切り替えたことも前進の要因だと考えられます。
でも、検査数値も他の症状も以下のように軽快したことから体の状態は上向いていると確信します。
疲労が軽くなった
胃もたれがなくなった
コーヒーを飲まなくても便が出るようになった
お腹の調子が悪いと眠れなかったのがなくなった
そして、今月また移植を控え、Bさんご夫婦も私も楽しみにしています。
妊活は時間との戦いです。
仕事のこと、家事のこと、経済面のこと、不妊治療のこと、旦那様との考えのすり合わせなど、考えなければいけないことがたくさんあり、精神的な安定も難しくなります。
私はメンタルカウンセリングのプロではないですが、これまでの会社員生活や不毛なプライベートライフの経験やあわや死産!という体験から、共感したり、少しだけ先輩としてアドバイスしたりはできます。
というより私も勉強させていただくことばかりですし、友人のように私や私の家族のことを心配してくださったり、「共に歩む関係」という表現の方がしっくりくるかもしれません。
今後も心身ともに話し合えるパートナーとしてBさんを支えていきたいと思っています。
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上記で触れたサプリメントはGMP準拠のしっかりと製造されている医師が処方する医療用サプリメントです。
自己判断で市販のサプリメントで同じ結果が得られることはほぼ不可能ですのでその点を誤解のないようにお願いいたします。